河野太郎氏の女系論は聊か心もとない

2020/08/26 - 乃万 暢敏 - ブログ記事

令和2年8月23日に河野太郎氏が、自身のyoutubeのライブ配信「河野太郎と語ろう」で、女系天皇議論の持論を展開された。また、翌24日には「河野太郎公式サイト」の中で、「皇統の議論」として、再度言及されている。

このご発言に対しては、様々なご意見があることはもちろん承知しているし、秋篠宮悠仁親王殿下が、男系男子としては最後の砦となる。もちろん、悠仁親王殿下の妃が男子をもうけることが出来れば問題はない訳だが、ここにはいくつかの問題がまた生じることになる。

天皇陛下が、2004年(平成16年)5月10日、皇太子殿下として、欧州歴訪前の記者会見の際にお言葉の中で「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です。」と述べられたことが、大きな衝撃をもって世界を駆け巡ったことは、皆さんのご記憶の中にもあることと思う。私がご成婚当時から懸念をしていた事であり、まさか長官や東宮大夫まで揃って、雅子妃殿下にプレッシャーをかけ続けていたという事実に、内心「やられた!」と臍を噛んだ。表はともかくとして、奥までそうなのか…何とも言えない複雑な気持ちで見守るしかなかった。

ご成婚後、この前兆になる出来事はすでに起こっていた。これについては詳細を「雅子さまと愛と絆の20年」(ご成婚20周年特別出版-主婦と生活社刊)に寄稿したのでご参照頂ければ幸いである。

そうしたことが、どれほどご夫妻を苦しめたか。実情を知るものとして、なんとも言葉が出ない。

河野氏も申されているように、悠仁親王殿下とその妃が同じストレスを、同じストレッサーから受けるであろうことは、想像に難くない。この点は河野氏のご意見に全く異存はない。

もう一点は、例え悠仁親王殿下の妃が男子を挙げたとしても、更に次の世代はどうするのか?という問題が出てくる。この少子高齢化の時代に、たとえ何人も男子をご出産され、安定的な皇位継承の環境を整えたとしても、未来永劫、現在のような危機がなくなる事はないのだから、皇室典範の改正は必須要件だろう。

さて河野氏のご発言の中で、「問題は、旧宮家ならば600年前に皇室から分かれた家、皇別摂家の場合でも400年から250年前に皇室から分かれた家の男子を皇室の養子にして、そこで生まれてきた男子をお世継ぎにするということが国民に広く受け入れられるかどうか」が疑問だとされている点には、強く疑問を覚える。

この見解が正しいかどうかは、歴史学者が答えなければならない。今上陛下も歴史学者であらせられる。当然、同じ疑問を抱かれるはずだと思う。

今上陛下とは同じゼミ(日本中世史ゼミ)で机を並ばせていただいたが、歴史学で重要なのは、ある見解が出されたとき、それを裏付ける「史料」が必要である事を学んできた。そして当該史料に対する「テキストクリティーク(史料批判)」をすることが最も重要である。出来れば、第一級の史料が望ましい。

私の同級生には、久邇宮もいれば、賀陽宮、そして伏見宮もいる。まあ、同級生が皇族に復帰することは、個人的に「うん?」と思う点もあるが…別に大した問題ではないだろう。

そして、「私は男系男子が126代、生物学的に継承しているかどうかを問うのは全くナンセンスだと思う。そんなことは誰も証明ができない。重要なのは、男系男子で継承されてきたという伝統を、国民が信じ、それを敬い、尊んでいることにあると考える。」と石川了氏が述べられている点は、まったく同感である。(アゴラより引用)

河野氏は、菊栄親睦会の存在をご存じないのだろうか?